俺ならこう撮る

映画監督・プロデューサー越坂康史の「もしも」の偏愛的映画感想と日常。
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「20世紀少年」ダイナミズムを放棄し、映画の終わりがはじまる
漫画そっくりにつくりあげる、満足度の高いキャスト、魅力的ストーリーなど、監督や製作スタッフの皆さんの様々な挑戦には敬意をあらわしたいです。しかしながら言いたいことも多いかなぁ。原作を読んでらっしゃる方には、実写で見れることのワクワクはあるのでしょうけど、未読の私にとっては、地球の終末を描いたこれだけのパニック作品のはずなのに、そういうリアルな興奮が感じられなかったというのが正直なところでした。
これは漫画を真似するあまり、映画がその特有のダイナミズムを放棄した、つまりは「映画の終わりがはじまる」作品になってしまっているのではないでしょうか? 漫画への敗北が前提でシナリオが進められていて、映画の持つ力を信じていない気がしてしまいます。

「俺なら」としては、大きく二つの問題提議をしたいです。
ひとつはメインキャストまわり。テーマ的にはこのメンバーたちが、子供の頃のワクワクする終末戦争の妄想に戻っていく「夢を思い出す」話なので、様々な現象が起こる前は、もっと大人の駄目さというか寂びれた感じが出ていてもいいのではと思います。唐沢さんまわりは比較的丁寧に描かれていたような気はしますが、他のメンバーが唐沢さんに加担していく理由がよくわからなく進んでいきます。
もうひとつは、とにかく世の中がパニクっていない。ダイナミズムと関連しますが、ロンドンなどの世界各地のシーンが結果だけだし、コマ落としの都市の風景でニュースの声だけ伝えるのような誰でも撮れそうな絵が羅列されて終末だと言われても納得できません。そういえば「デビルマン」もそんな感じだったっけ。燃えてるのはコンビニくらいで、羽田も国会もCG爆破でこういうところに被害にあう乗客や逃げる国会議員の姿がないからリアルに迫ってこないんですよ。つまり誰も困っているように見えないんですよ。

とはいえ、この漫画に敗北試合をした映画のラストシーンの少女の走りに、はじめてこの物語というより映画というジャンルの希望を見いだすことはできます。第2章で映画を取り戻して欲しいです。
【2008.09.15 Monday 14:22】 author : koshiy2010 | 日本映画2008 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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