俺ならこう撮る

映画監督・プロデューサー越坂康史の「もしも」の偏愛的映画感想と日常。
「花宵道中」本当はこうしたかったが漂う
安達祐実さんの話題作、「花宵道中」を気の合う仲間と見てきました。
基本的に私は映画を見る時、一観客でいたいと思うのですが、これはヤバかった、ぜんぜんそんな気にならない。今年一番の「監督、本当はこうしたかったんだろうな」がかなり漂う作品でした。
内容はなかなかのニューシネマ路線。なので、好きな方向。豊島監督が1971年生まれということで、ややリアルタイム世代ではないことから、原作や東映ビデオさんのベクトルが強いかも知れないですが。

今見てもいい意味で全然ロリな安達祐実さんを「姉さん」なんて言うところからはじまるこの映画は、その違和感に悩まれつつも序盤をなんとか展開。ネット動画だったら停めてるというギリギリの時間で、津田寛治さんを投入。それは絶妙なタイミングでした。津田さんの悪役っぷりに、このキャラ欲しいとジェラシーを感じつつも、後半への期待が膨らみます。

ストーリーはそこから、安達さんに惚れ、過去に津田さんに恨みを持つ淵上泰史さんがからんでくるのですが、ニューシネマのスピリッツはバシバシ感じるものの、「吉原炎上」の花魁道中を見ている人間にとっては、予算的にはなかなかつらい表現。昔なら所謂本編予算でやれるネタなはずなのに。うーん、マーケットの変化を感じます。

とはいえ、その中で負けない試合を展開する監督、製作チームの奮闘により、作品は一応の着地点をみせて終了。ただ、どうしても裏事情を邪推してしまう私としては、最後、本当は逃亡劇もやりたかったのではなかったのかな、とか、主人公が、最後に取る決断に至る感情をもっと描きたかったのでは?などと、余計な思いが強く脳裏に浮かんでは消え、を繰り返し、じゃあ、「うまくまとめました」でいいのかという思いにもなったりもします。
このへんが、過去のニューシネマが持つような「主張の強さ」と違う気もして、なかなか歯がゆいのです。

安達祐実さんヌード映画を隠れ蓑に、今の時代を切る主張をやろうという欲望はないものなんでしょうかね。それは甘く、このクラスの映画のマーケットにははまらないのでしょうか。切り口はいくらでもあるような気がしますが。
悩みはつきませんね。
 
【2014.12.06 Saturday 03:25】 author : koshiy2010 | 日本映画2014 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「紙の月」あの椅子でガラスを割ることで、今まで積み上げてきたリアリティも水の泡
私は防災のビデオとかもつくっている人間で、どうしてもそういう所に目がいってしまう。銀行の描写は緻密だが、ガラスメーカーが見たら、おかしいと思うよ。やってみてよ!絶対割れないから、椅子の方が壊れるから。
大体、明日には新作の原案を出さないとやばいという状況で、この文章を書いてる余裕は私にはないはずなのだ。しかし、言いたい事があれば、先に進めないので書くよ、そりゃ。

実はこの作品は善戦していると思う。言ってみればわりかし古くさいモチーフを現代的に再生している。
だが、細かい所はなかなかおざなりではないか。宮沢さん、池松さんの二人がはじめてことに及ぶのがあれでいいのかと思ってしまう。上映時間等を考えても、何かあれ以上の方策はないのかしら。
心の渇きが、時計などのエピソードで描かれていたが、カラダの渇きはあの映画では描かれていない。池松さんと出会う前に宮沢さんが自慰するようなシーンがあれば、それは一発で解決すると単純に思う。別にPG12のコードを考えて直接見せ無くったっていい。それを感じさせてくればいいのだ。
あるいは、池松さんとカラダの関係になる前に、お金が無くて大学を辞めるエピソードがくれば、それはそれで「与える」ことにこだわる宮沢さんが心動かされるというのもアリだ。つまりエピソードの順番を間違えている。
電車に乗る宮沢さんを追いかけてきただけで、ときめき、最終的に他人のお金を横領するという流れになるのは、あまりに都合が良過ぎるとは思いませんか? あれで女性が落とせるなら、多少条件が揃っていたとしても簡単すぎるわ。

見せ場の横領のプロセスや追い込まれ方は悪くない。演技も宮沢さん以外の人も含めて驚異的にうまくいってる。
ただ、それに頼っているのは、どうかと思ってしまう。
宮沢さん、池松さんのセックスシーンが何度か出てくるけども、この描き分けさえ「ない」ではないか。おそらくこの作品の1/10とか1/100とかの予算でつくっているポルノ映画でも最低やっている性的場面での感情の揺れのようなものが、見当たらないのだ。つまり、モンタージュとしてやってるだけ、これに意味があるのかと思う。

記号的に過去の記憶を作品中に織り交ぜただけで満足しているだけでいいのか。
中学生が親の金を盗んで多額の寄付をした。それに親はどう対応したか、を考えた場合、普通怒ったりということが考えられる。それがなかったら、あんな事件に発展するのは真っ当だが、その親の対応も作品中では描かれていないので、そこもずるい。あそこで本当に描かなきゃいけないのは、そのアフターなはずなのである。

で、最後には、どこかの東南アジアの地に逃げ延びた宮沢さん、もしかしたらあの中学生の時に寄付したから生き延びたお兄さんと再会かしら?となる。ということは、宮沢さんの行動正当化で作品は幕を閉じる。
それはそれでアバンギャルドでいいけど、それなら、観客がそこまで狂ってる宮沢さんスゲーとなるか、それが本人にとっての自由の獲得であり、成長だった、犠牲は大きいけどね、とならないと作品は帰結しないはずではないか。
思う所、これまた都合よく、伏線消化しました。あの男の子が成長したからいいじゃない、なかなかビックリラストでしょ、みたいに作られている気がして仕方ない。一体何がしたいんだろね?
 
【2014.11.21 Friday 02:17】 author : koshiy2010 | 日本映画2014 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「海を感じる時」小道具の使い方が秀逸で昔の巨匠みたいな映画
昔の再現的青春映画をつくるなら、高校生といえども少し年齢いった方でやるのには、僕は賛成派。拙作「愛に飢えた獣たち」でも三坂知絵子さん29才時ですから。(1才勝ち)
市川由衣さんにそこまでの猥雑感はないのですけども、「ホットロード」あまちゃんより説得力はあります。

実はこの作品の最初の印象はあまりよくなく、予告も安っぽいし、本編も前半の池松壮亮さんとの関係描写は、市川さんが「カラダだけの関係でいい」と思っている時点で障壁ナッシングなわけで、失敗したと思っておりました。

しかしながら中村久美さん演じる母登場から、俄然物語が動き出しまして、時間経過にやや説明不足な要素はあるものの、青春の危うさ、切なさを描いた佳作でありました。

特に小道具の使い方が秀逸で、昔の学校の図書館の図書カードの使い方まで丁寧に見せ、そのわずかな時間の中にさえ、二人の関係性を際立たせようとしている点など参考になります。ま、コレより服脱ぐシーンの間の方がその意図は強いんだろうけど。

印象的だったのは、彼と会っていて、遅くなった日、母と口論になるシーン。怒った母は作っておいた夕食をそのまま流し台に捨てます。すると、娘は居間に行き、戸棚にあったおせんべいをぼりぼり。そんな昭和な生活感を取り入れながら喧嘩を続けます。
現代にはおせんべいはないよな、これは計らずも娘の空腹を満たすレスキューをしているんだ、と思うと、心か何かわからないですが、何らかの余裕ある時代を感じぜずにおられません。
食べ物の扱いは、作品全体を通じても、記号的に作用しており、ここぞという所では必ず食べています。ひも解くと面白いです。

この記号的な見方がわかると、ラストもなかなかの名シーン。漸くタイトルの「海」の意味がわかるような。
ま、しかしながらアート映画の線上にはあるので、カップルで行くとちょっと呆然かも知れません。
 
【2014.10.11 Saturday 12:15】 author : koshiy2010 | 日本映画2014 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「好きっていいなよ。」全編が「これまでのあらすじ」になっている 他
実は書いていないが、最近の青春映画だったら「LDK」が面白かった。
僕らの世代だと要は「翔んだカップル」があるからいらない映画だと思っていたが、さすがにあれだけ出ているだけあって、剛力さんがいいコメディエンヌっぷりを発揮しておりました。さすが、「ガッチャマン」のコメディ担当だけのことはあります。ただ、あの映画にその役割が必要だったかは、コメントしませんが。笑

さて、いい青春映画を見ると、次も見ようという気になりまして、まずは「幕末高校生」。
というか、これ石原さとみさんの映画なので、正確には「幕末女教師」が正しいんです。高校生たちの方が添え物です。これは正直、タイムリープの面白味があまりなかったのですが、柄本時生さんや川口春奈さんはいいんですよ。自由にやってる感じで。また、チャンバラシーンが「超高速!参勤交代」に負けているのが哀しいです。だって「参勤交代」と「幕末」って聞いて、どっちがチャンバラ率高いと思いますか。笑

で、川口さんコメディいける、と思って「好きっていいなよ。」を見る事にしたんですが、劇場での年齢的アウェイ感といったら…。でも、負けない。笑

回し蹴りまで、普通の映画として楽しんでおりましたが、福士蒼汰さんが過去のいじめられていた友達を助けなかった話くらいから、「あれ? そんなに早くバラす?」というくらい、葛藤が起こってドラマが盛り上がりそうになると、すぐ解決するパターンが続きます。
しかも、コメディというよりかは、恋愛哲学語り映画。いやぁ、コメディと勘違いした僕が悪かったのだが、全編場所を変えて会話、会話、会話で話が進んでいくのには、さすがに飽きる。青春映画やアイドル映画にあるような、思い切り走ったり、殴ったり、叩いたりの盛り上がりシーンのようなものは回し蹴りの後には一切ありません。そして葛藤が友達の善意や彼の言い訳でスピード解決。解決したらキスみたいな。だから、極端に言えば、本編がはじまる前の「これまでのあらすじ」をずっと見せられている感じ。川口さんも暗い役を引きずりすぎていて、芝居パターンが同じ。
これを見ていると、「幕末高校生」が優れた映画に見えてくるわ。川口さん見るなら「幕末」見る方が正解ですわ。

想像するに、ここは漫画原作をそのまま会話で進めているシナリオ上の失策なのだろう。漫画には、よく心の声が出てくるが、これを会話にそのまま置き換えてはいけない。この映画を見ていると<悩み事をすべて打ち明けてる>主人公と、それに必ず気をまわす<都合のいい>友達、どこまでも白馬の王子で、最初のいじめを見過ごしていた以外、<一点の曇りもない>彼。この現実離れしたキャラクターたちが、すべて会話で誤解を解いていく物語だ。人間というのは、グレーな部分があって魅力が高まるような気がするが、みんな、最初にそれを小出しにしたあとは、すごいいい奴になってしまう。そんなに説明できるならキスする必要ないでしょ、と思ってしまう。キスがメインアイテムなら、キスしたくなる気持ちを盛り上げて欲しいです。十代の人たちは、これで何かを感じ得るのかしら。
【2014.08.20 Wednesday 17:21】 author : koshiy2010 | 日本映画2014 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「女子ーズ」「ちょっとかわいいアイアンメイデン」世界観についていけないが
「女子ーズ」
福田雄一監督だったら、今テレビでやっている「アオイホノオ」の方が断然面白い。
ただ、有村架純さんや高畑充希さんは面白く役を自分のものにしていたのでびっくりした。
ストーリー上の問題は、桐谷美玲さん演じる赤木が、なぜあそこで地球を守ると思ったか、理由づけが希薄なのである。そのあと、ちゃんと仕事か地球を守るかでドラマしたりするのにである。そこさえしっかりしてくれれば、佐藤二朗さんのやりすぎ芝居も許せてしまうんだろうけど。色々気になって仕方なくなる。

「ちょっとかわいいアイアンメイデン」
この違和感と思ったら、男がまったく出てこない。
先輩女子の吉住はるなさんがやはりちょっと弱いなぁ。ここに間宮夕貴さん配置できれば、それなりの説得力はあった気がするのですが。ストーリー上も吉住さんがMだってネタバレしているところから始まるしね。
木嶋のりこさんは「片腕マシンガール」にちょこっと出ていたらしいが記憶になく。魅力的に演じているけど、他メンバーの演技力が、まあなんといっていいかという感じなので、空回り感は半端ない。

「夜光華」やった時に思ったのですが、マンガを原作にするとどこかで現実世界と乖離する瞬間がある。これをシナリオ上で見過ごさず、着地させるのが難しい。例えば拙作「夜光華」で言うと、原作マンガはいきなりアポも取らずにバッグひとつで単身上京するのだが、そのまま映画にしたら旅行にしか見えない。バッグを小さなスーツケースに変えるだけで少しだけ説得力が増す。こういうことが大切なのだ。しかもこちらは4コママンガと聞く。この場合、拷問部を世間的にどういう立ち位置にするかにもう少し精力を傾けるべきだったと思う。麻雀マンガ「咲」の麻雀部みたいに状況がはっきりすれば、もう少しその世界観にすんなり入り込めたと思う。
 
【2014.08.09 Saturday 14:15】 author : koshiy2010 | 日本映画2014 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「恋のプロトタイプ」日本版「her」はカジュアルな恋を綴る秀作
見ていないけど「トランスセンデンス」も近い作品なのだろうか?
人間とコンピュータ(仮想世界のキャラクター)との関係を綴る作品は古くは「2001年宇宙の旅」であり、少しマニアックに言えば「マックスヘッドルーム」などもあったのだけど、ここにきての連打は、こういう世界が現実に近くなってきていることの証明といえるのかも知れない。
僕自身も「マックスヘッドルーム」に影響されて、自主映画時代にコンピュータ上に再構築された自分と恋愛をしていくSFドラマをつくったことがあり、実はこういう世界へのこだわりは半端ない。

「her 世界でひとつの彼女」は、もちろんシミュレーションがよくできた脚本なんだけど、もやもやするものがあった。これが何かわからないまま、「恋のプロトタイプ」を見ると、その答えがあった。
つまり、SF的な設定が現在から少し遠くて「her 世界でひとつの彼女」は世界観についていけないと置いてきぼりを食らうのだ。
どんなに傷心だとしても、最低限の現実世界との接点はある。「her」では、それさえも希薄な時代またはキャラクターが設定されており、ここに現実感を感じ得ないとのれない瞬間が出てきてしまう。その点、「恋のプロトタイプ」は現在より少し未来で、あくまでコメディの装置として主人公と仮想キャラクターの恋愛を生かしているから、「馬鹿なやつ」と思いながらもすぐ入っていける。その分、「青春H」特有の泥臭さはあるので、デートムービーになるかはわからないけど、感情的にはかなりのっかれた優れた作品だった。
しかも、デバイスはタブレットとかでなく、3DSだ。このカジュアルさはたまらない。まぁ、作っているのが津田さんと倖田さんだから、この選択はなかなか正しい。笑

「her」の場合、理想的な恋愛すぎてうまくいってしかるべき状態になってしまう。そこで、最後の別れを無理矢理つくった感じがあったのだ。僕はあそこだけは、ストーリー上のご都合のように思ってしまった。その点も「恋のプロトタイプ」はよくできていた。両者とも愛する人の喪失を描く物語だが、「何を感じさせたいか」のアプローチや、どうして別れるかの理由は「恋のプロトタイプ」の方が的確に思える。もちろん、スカーレット・ヨハンソン並みの上手なセリフ術には出会えないが、このファンタスティックな面白さを東中野+アルファくらいの劇場に押し止めておくのはもったいないと思った。
 
【2014.08.05 Tuesday 22:51】 author : koshiy2010 | 日本映画2014 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「渇き。」「私の男」娘をファムファタールに設定する衝撃性
忙しいけど、これだけは書かせて、レンダリング中だし。

これが娘でなければ、それほど衝撃的な作品ではありません。
男にとって女ってわからないという図式でつくられたこれまでの様々な作品の「女」の部分を「娘」に置き換えるだけでこれだけ新味が出るのだからなかなかなものです。そして、それが大型ショッピングセンター併設のシネコンでかかっていることも。
「女」以上に「娘」の考えていることがわからないという時代を象徴しているのでしょうか。
しかしながら、近親相姦というのは意外にも単館系映画ではなかなかの定番アイテムですし、もちろんR18系作品でも。ただ最近やられていなかったから衝撃度があるというだけのような気もします。

2作とも、ヤバい映画売りはされていて、まず「渇き。」は某大作映画を降りた監督の怒りのようなものが感じられて、パワフルで面白いんです。が、なんで裸ないの? ドラッグ描写ですでに地上波放映も諦めるくらいの勢いでつくっているのに、そこだけは制限している感じがして、まぁ、ちょっとふがいなく思ってしまいました。別に小松菜奈さんが脱ぐ必要はないけど、黒沢あすかさんはもっとがっりやってもという気がしてしまいます。
一方「私の男」は、そこはなかなかやっているんですけども、こちらはストーリー的に二つ不満があって、浅野忠信さんと二階堂ふみさんが本当の親子かどうかははっきりさせずに進んでく。ここは倫理上の対策かとがまんしても、浅野さんと二階堂さんがどういう過程でそういう関係になったかはわからせなくていいのかしら。時間が飛んで結婚前になる所でも省略の美学がきつすぎて想像がおいつかないのです。というより、そこは観客が見たいところでしょ、と思うのです。ミステリーっぽく見せたいのはわかるんですが、うーん、アートが勝っちゃって。嫌いじゃないんだけどね。
そのへんは実は「渇き。」では回想的に小松菜奈さんの周辺がこれでもかと描き込まれているので想像がつくんです。

ということで、2作見て、足りない所を勝手に脳内編集して補完すれば2作とも満足できます。きっと。
 
【2014.08.02 Saturday 13:57】 author : koshiy2010 | 日本映画2014 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「テルマエ・ロマエ2」ほか、コメディの難しさ
「48days」「58days」クランクイン前に「ブルー・ジャスミン」のような名作を見てしまったせいか、クランクアップしたあとに見ている作品が大方、パンチを感じられず悩んでおります。
それでも、「相棒3」は「2」に比べて、再度「1」のような大作風路線に切り替え。その「相棒」らしからぬ強引な設定は、なんだか過去の東映らしさを醸し出していて逆に好感触。しかしながら、細菌兵器を保有する犯人たちに対して、核兵器と同じという論理にシフトして、しゃべりたいテーマに結びつけるのは強引すぎないかしら。「X-DAY」くらいのセリフまわしの方が私的にはストライクだった。

で、「テルマエ・ロマエ2」である。前作が公開された時、前半は原作、後半は創作、それが融合していないという批判を色々な批評や感想で見かけた。今回、それは改善されるどころか、ますます分かれているように思える。ということは、この作品の作り手たちは、興行収入は気にしても、そういう感想から作品を改善しようという発想はない人たちらしい。
お風呂文化は、ほぼ温泉文化一辺倒になり、タイアップ感・紹介感満載。バージョンアップさせたいという努力は感じるが、正しい方向なのかは考えてしまう。
だって、上戸彩さん一家が引っ越しまでして、草津を紹介しなければいけない理由がわからない。「男はつらいよ」でいえばとらやが引っ越しするくらい禁じ手だと思うのだ。またそれを、説明ゼリフの応酬でしか表現していない手軽さも気になる。
後半は、前作同様、シリアスな戦争か平和かの話になる。前作では、それなりに元老院の力が示されていたが、今回は影武者のような男を連れてきてって…ずいぶん地に落ちた感じである。再三話しているが、こういった話は悪役が強くなければ盛り上がらないのである。「スターウォーズ エピ4」でダースベーイダーしかいなかったのが、「エピ5」で皇帝みたいのが出てきて、すごそうだと思えなきゃいけないし、「エイリアン2」でエイリアンがたくさん出てきてもいいし、「さらば宇宙戦艦ヤマト」でデスラーたちより強そうな白色彗星が出てくればいいのである。バージョンアップとはそういうことなはずなのに、ケイオニウス兄というビッグアイデアを持ちながら生かしきれていないストーリーにふがいなさを感じてしまう。
また、大作にも関わらず「与作」「浪越徳治郎」「熊に襲われる松島トモ子」という意味がわからない暴走ネタが炸裂しているのは個人的には受けるのだが、いいんですかね?

今回はもうひとつ。
「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」。まあ、拙作出演の繭ちゃん出演作なので責めたくないのですが、3つだけ言わせて。
・「キャー」みたいなシーンで建物外観になる。
 これって、裸が描けない時に使う技ですよね? 裸になっている作品で使う意味がわからない。
 あと、この表現が監督は面白いと思ってやっているだろうか?
・貞操帯が出てくるのですが、おしっことあそこが濡れてくると消える設定。
 貞操帯としての意味がないことを突っ込まなくていいのか?
 そういう設定なら、ラストシーン近くのお兄ちゃんといちゃつくシーンでなんで生かさないのかわからない。
・設定が複雑すぎ。アニメ版みたいに「お兄ちゃんとLOVE×LOVEしないと死んじゃう!?」のわかりやすさが欲しい。
 だから、橋本甜歌さんがキャラがつかめていず、困った困ったのコメディにならないのだ。
とはいえ、劇場用R-15の割にエッチシーンのがんばり感はあった。生きているかはわからないけど。
保健室でおしっこを漏らしそうになるシーンは面白かった。あのテンポが続いてくれれば。
アニメ版はどうやってコメディにしているんだろ。見てみたい。
 
うーん、わくわくするような発見の喜びのある映画が見たい。
 
【2014.06.05 Thursday 01:42】 author : koshiy2010 | 日本映画2014 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「東京難民」自分はここまで落ちてないと安心して前向きになれる映画
なかなかのスリラー映画でした。
ただ、治験のバイトであそこまで稼げる経験を与えるなら、ホストに転じるには他の理由も必要な気がします。

昔、今井正監督の「どっこい生きている」という底辺の生活を描いた作品があったのですが、それの平成版。「自転車泥棒」みたいな労働者階級の映画を想像してもらえばいいと思いますが、こちらは平成の呑気な大学生活から転落するので、落ち度はなかなか激しい。

キャスティングの妙は大塚千弘さん。この作品のこの役をやるのにぴったりすぎて怖いくらい。女優の世界でも当然格差というのがあるでしょうから、そういうのを勝手に想像しちゃうと、絶妙なキャスティングといえます。しかも、ただ主人公に寄り添うヒロインというより、グレーな側面も持ち合わせているので、魅力的。大塚さんを見るだけでも、この作品の価値はあります。

こういう映画は、自分はここまで不幸でない、と安心する悲劇。ですが、他の作品と違い、今の日本では誰もがここに隣り合わせにいることを考えてしまう真のスリラーといえるかも知れません。
 
【2014.03.12 Wednesday 17:18】 author : koshiy2010 | 日本映画2014 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「カノジョは嘘を愛しすぎている」十代だったら絶対ハマってた
やはり新しい人を見つけるために、こういう映画は見なければいけないと思っています。そしたら、なかなかの拾い物だったので驚きました。確かに偶然に頼る展開やプロミスの社員にしか見えない歌姫など、厳しい所もあるのですが、それ以上にお持ち帰りできる魅力を持っていました。

主役、大原櫻子さんの歌声や可愛さ、健気さ、あるいは佐藤健さんについてなどは、色々な人が恐らく言及していると思いますので、ここでは反町さんの演じた音楽プロデューサーについて語りたいです。

その前に、この作品が魅力的な理由を少し考えてみます。すると、青春映画はこう作るべきという、法則がいくつか浮かんできます。
そのひとつが
・大人は子どもの味方ではない
ということです。
むしろ、反抗する相手で、グレーな側面を持つ権力者であるわけです。本作では実際はそうでもないのですが、少なくとも初期段階ではそう見えます。
・印象的な走るシーンがある
必然ではありませんが、優れた青春映画にはよく出てきます。
・喜怒哀楽がはっきりしている
ストレートに泣いたり、笑ったりが多いです。
・その世代が好きなアイテム、憧れが出てくる
この場合は音楽、人気バンド、そして自身のシンデレラストーリー。

この音楽プロデューサーは、少年少女たちにとっての悪役、といっても「アタックNo.1」のコーチのように、共通の目的を持つ仲間でありながら、感覚・感情的的に敵対する存在であり、普通であれば、もう少し極端に描きたくなるところ。これを脚本なのか、演出なのか、演技なのかはわかりませんが、さりげなくスマートに描いていて、見る人によっては「実はすべて仕組んでいるのではないか」と思わせるようにも、真摯に商業的音楽を追求しているようにも見えるわけです。

残念ながら、僕は若者たちの視点でこの映画を見ることができない年齢になってしまっているので、この音楽プロデューサーの視点で見てしまいます。
すると、歌姫とは寝ている設定だわ、音源は録音時にもっとうまいミュージシャンで弾き直させているわ、スキャンダルを上手に自分の都合のいいように利用するわで、大人の事情を絵に描いたような行動に溢れているのですけれど、考えてみたら、ベクトルとして「自身の出版する曲を成功させる」という一点に向かって、ちゃんと丁寧な仕事をしているのです。
だって、音源をうまいミュージシャンで録り直すなんて、手間とお金がかかるわけで、「いいよいいよ本人たちの演奏で」と今だったらなりがちだと思うのです。しかも、練習しているバンドメンバーたちに対して、「弾くふりがうまくなるから、練習はした方がいい」などと煽ります。でもどこかで、本当にうまくなることを願っているのかなぁ、と思えるのです。

現在、CDやDVDなどのパッケージメディアは過渡期にあります。このプロデューサーだったらどういう一手で打開するのか、想像をめぐらしたいと思います。
【2014.02.11 Tuesday 18:48】 author : koshiy2010 | 日本映画2014 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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