俺ならこう撮る

映画監督・プロデューサー越坂康史の「もしも」の偏愛的映画感想と日常。
「赤ずきん」絶妙なタイミングで謎解きされていく快感 他
洋画を実はばかすか見ているんですが、書くヒマはなくて。
数行感想を覚えのように書いておきます。

「赤ずきん」
強引に赤ずきんネタを入れているがシナリオはいい。助けにきたはずのゲイリー・オールドマンの神父がグレーだったり、家族の過去などが絶妙なタイミングで謎解きされていくのが快感。アマンダ・サイフリットも魅力。「クロエ」が見たくなります。

「アリス・クリードの失踪」
噂ほどサスペンス感は強くない気が。中年男の方のエディ・マーサンがもう少し高圧的とか、若い方のマーティン・コムストンが絶対に従わなきゃいけない状況にしないと。ただ、こういうバランスって作っている時に気がつかないんですよね。とはいえ誘拐劇を低予算でできることを世に知らしめた功績は大きいです。トイレの鉄砲玉ネタは最高。

「SUPER8 スーパー8」
くやしい。日本人として「シングル8」つくりたい。思春期に8ミリ映画作っていた人にはそれだけでツボ。ただ、感度が低い8ミリで田舎町のナイトシーンがあんなに奇麗には写らないとは思うけど、そこは言わないお約束。笑 マニアックなスピルバーグの復活で好感触ですが、クライマックスは定番的でややつまらないかな。クレジットで流れる短編作品は素晴らしいです。

「マイティ・ソー」
なるほど、ケネス・ブラナーだとアメコミムービーも史劇を見ているような気になる。深作欣二監督の「宇宙からのメッセージ」が時代劇に見えるのと同じようなことか。笑 観客を劇世界へ誘うのがうまいというか丁寧で、原作を知らないとついていきづらい「XMEN」のようなことがなく、作劇上の参考になりました。
 
【2011.07.30 Saturday 15:58】 author : koshiy2010 | 外国映画2011 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「ブラック・スワン」立花さんも宇佐野さんも愛葉さんもみんなみてるな
 …変態映画なのに。笑
立花さんも宇佐野さんも愛葉さんも、いい意味で変態だしね。かくいう私ももちろんですが。笑
男子的には久々に女子をエロとホラーに堂々と誘える価値ある作品です。世の男子の皆様がんばりましょう!!!

「FOXサーチライト」配給、ってことはアメリカではインディーズ扱い。ウィキペディアによるとわずか18館公開からはじまって、959館にまで拡大されたらしい。これは商業的には笑い止まらないはず。アカデミーがなければ「宮廷画家ゴヤは見た」くらいの話題にしかならなかったかもしれない。どちらもナタリー・ポートマンの熱演はすごいのだけど。

さて、ナタリー・ポートマンの私的な注目は、自慰シーンに他ならないです、正直。動き方自体もいいんですけど、朝起きてというのがたまりません。その時でさえ、あんなサスペンスが。ここがこのクリエイターたちのこだわりのような気もします。

「ブラック・スワン」のうまい所は、出てくるネタ自体は、割と手垢がついているようなもので、鏡の使い方、アルコール、ドラッグ、セックス、母親と娘、師匠と教え子、先輩、ライバルの人間関係など、よく映画に使われるものばかりですが、常に感情がひきつけられる新しい見せ方にひねっているのに魅力があるんですね。

「鏡を壊す→過去の自分を壊す」という表現はよくあっても、それと「殺人サスペンス」とミックスするのは見たことがない。アルコール、ドラッグ、セックスというのは見るけど、続く、練習に遅れて、焦るシーンの伏線には誰もしていないわけです。
師匠と教え子のセクハラか芸かのグレーさ、ウィノナ・ライダー先輩の事故ひとつとっても「本当に事故?」のような、観客の妄想や感情を常にひっかきつづけ、時には宙づり状態にするような不安や興奮をあたえつづけます。
もうこれは、やっぱり最初に書いたように変態映画だと思います。
それを女子が見たがる。いい時代です。笑


【2011.06.02 Thursday 23:53】 author : koshiy2010 | 外国映画2011 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「アンノウン」リーアム・ニーソン、あなたはハリソン・フォードか・他
 「アンノウン」、しぶいスリラーかと思ったらジョエル・シルバーが製作に入っているせいかどうかはわかりませんが、異常なほどのアクション満載。「逃亡者」ハリソン・フォードを超えるオッチャンアクションにしびれます。でも医者がこんなにクルマの運転うまいのおかしいだろと、虎視眈々と突っ込もうと思っていたら、それも伏線、見事!!!こういういい意味で卑怯な物語構造は大好き。

こういうのを「ミッシング55」でできてたらなぁ。

他に
「わたしを離さないで」がある意味一般受けできる「ミッシング55」なのかと納得。すごいいい絶望的映画です。
「エンジェル・ウォーズ」も「ミッシング55」っぽいのです。映像とCGは完全に負けてますが、陵辱シーンは「55」が勝ってます(自慢になるかわかりませんが、笑)。これ、邦題よくない。「300」にあわせて「5 ファイブ」にすればいいのに。
「ザ・ファイター」兄のドキュメンタリーシーン、愛葉さんに見せたい。感動作でそつないし、ボクシングビジネスからみが面白いが、リングシーンは邦画の「明日のジョー」の方が全然よくできていますね。

【2011.05.19 Thursday 15:04】 author : koshiy2010 | 外国映画2011 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
「アンチクライスト」実はスリラーかホラー
すごいと言われて見に行く。評判通りだった。
とはいえ、トップシーンのエロさはR18にしてはほどほど。

精神病と戦いながら狂っていく二人の話のようでもありアート映画風なのですが、実はスリラーやホラーに後半シフト。見方によっては、魔女の呪い話でJホラー的。このシフト感が気持ちよいのです。

LOVE&X映画祭に参加していた男女のお話「結び目」を見た時、一瞬サスペンステイストになる所があって、私的にはその線に突き進んだら気持ちいいだろうなと思ったら、終息してもやもやした記憶があるのです。ただ「結び目」はそうならないことが海外のお客さまに評価されたようでもあり、映画の方向性としては間違っていないのですが。

ということで、僭越ながら「結び目」に対する「俺ならこう撮る」をトリアー監督に見せていただいたような気分。

「落ちる」表現のこだわりがすごい。
キリスト教的引用はよくわからなくても、病気になった妻を治そうとするというのは、魔女たちをキリスト教に改宗させようとした歴史と韻を踏んでいることが読めればこの映画は難しくないです。
また、デフォー・シャルロットの僕らの時代の青春スターがあんなことに。
必見ですね。


【2011.03.22 Tuesday 12:51】 author : koshiy2010 | 外国映画2011 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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