俺ならこう撮る

映画監督・プロデューサー越坂康史の「もしも」の偏愛的映画感想と日常。
「ノルウェイの森」男はどうして面倒くさい女が好きなのか
考えてみたら、本来の趣旨からはずれ、ほとんど告知ページと化してしまったこのブログ。なんと今年は「東京島」1本しか書いてないことが発覚。忙しいとはいえ、まあねぇ。
そんなことで、おかげさまで実践編の役割を果たしているとはいえるのですが、時々書きたくなる作品に会えます。今年の正月は大漁で「ヤマト」も「相棒2」も書きたいけど、取り急ぎは本作。

「ノルウェイの森」は本が確か高校生くらいにはやっていた記憶が。でも未読。なので映画単体で書きます。

最初から映像と編集が心地よくて、次々に新しい画が出てくる贅沢さ。のっている自分に、これは「告白」以来の傑作?と期待が膨らみます。
ですが、直子=菊地凛子が療養施設に入ってから、アートシネマモードに突入、でも出だしがいいからついていきます。緑=水原希子が「私の考えている事わかる?」風な誘いにもそそられるし。

でもですね、ワタナベ=松山ケンイチがなぜ直子にこだわるかがわからないんです。そこまで魅力的な女子かと。
そのへんからちょっと心が離れて行ってしまう。想像力で補完する映画の魅力は理解できますが、キスギの自殺の原因を描かないなら、直子との関係はもう少しヒントを出してもいいような気がします。

ということで本作は、友人の自殺をきっかけに、ワタナベの三角関係のどろ沼+アルファの女性関係を描く青春映画。数年前の日本映画界には登場しえないネタで製作に踏み切った勇気に拍手。

映画はワタナベの再生で終わっているようですが、私に言わせると、この映画に出てくる女子はみんな「面倒くさい女」でした(苦笑)。しかも脱がないし(笑※)。でも男子がそういう女に惚れるのはわからんでもない、というよりよくわかる(苦笑)。だから、ワタナベと緑が新しい一歩を踏み出そうとするのは、あれは再生でも成長でもなく、また同じタイプの女に引っかかっている「人間変われない」という風に見えます。

いいのは、たぶん50%の人は、再生・成長の話として解釈すると思うんです。ということは議論できる映画なんです。こういうメジャー映画が最近なかったと思いませんか?

また、エキセントリックな菊地凛子の計算された芝居より、それを受ける松山ケンイチの芝居の方が私は共感できますね。これも議論できるネタ。

そういう意味で60年代映画なのですね。
おそるべし。


※いや、ほとんど脱がなくていい映画だと思うんですけど、最後のレイコはあってもいいと思いますね。ブラつけたままやっているのって別のキャラだよね。
JUGEMテーマ:映画
【2010.12.31 Friday 15:02】 author : koshiy2010 | 日本映画2010 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「東京島」ネタバレ10年後のシーンから考える
そういえば全然感想書いてませんね。もう1年近いか。
感想を書かれる立場になって、ちょっとビビリも入りつつ、切り込めないかなぁ、と思って。
でも復活します。
というのは、私は知られざる「無人島映画マニア」だったりして、「東京島」なんて出てきちゃうと書かざるおえないんです。

監督は篠崎誠さんなので、まぁ、これはやさしい感じの作品になるのは了解済み。
なんで、そこは言わないこととしまして。

ここからネタバレになります。

助かって10年後の会話で島に残った自分の子供に対する思いって出ないかなぁ。
じゃなければ捜索したとかそんな説明ゼリフがあっても。
という気がしました。
なんでないのかを考えていくと、おそるべき結論に到達することがわかりました!!!

●思考1ステップ
最初にいらないものとして捨てられる候補に入りそうな私としては、鶴見辰吾さんが一番追っかけたかったキャラでしたが、まぁ、物語はじまった瞬間にあんなことに。でも、清子(木村多江)を助けたのって隆(鶴見辰吾)ですよね、あんまりにひどいなぁ。
そこからはじまって、清子のあの後の変わり身・生き様を見ていったら、実は10年後に島に残していた子供への話はいらないんですね。
そう、自分とまわりで「精一杯」。これが現代なんだと。
曲解ですかね?

●思考2ステップ
そして、あのもう一人生き残ったイラン人だったかの女性。あの10年後のシーンは疑似家族として見てねというシーンですよ、きっと。
そうすると、女性3人の家族で生きていく「文明社会」と、男女がいる「非文明社会」でこの映画のラストは締めくくられていて、メッセージとしては文明社会では男なしでいい、というメッセージに見えてきます。
考え過ぎですかね?

このどっちかでなかったら、10年後のシーンでの子供への思いは必要なんだと思うんです。
確かにあの後、子供に何か話そうというシーンで終わっているので、そこは想像でカバーなのかも知れません。でもあえてそこを避けてエンディングに持っていっているというのは意図的です。
まぁ、そんな奇妙な後味の映画でした。
【2010.09.10 Friday 23:43】 author : koshiy2010 | 日本映画2010 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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